小栗判官 蘇生の地 〜湯の峯〜

  • 2006.01.08 Sunday
  • 06:58
 三条大臣兼家の嫡子、小栗判官は鞍馬に参籠し、横笛を吹くと、みぞろヶ池の大蛇が美女となってあらわれ、契りを結ぶ。
 竜女懐妊のため、神泉苑の池の八大竜王と悶着が起こり七日間大嵐となり、博士の占いに、竜女と契ったもののいることがわかり、小栗は常陸へ流人となる。相模国の郡代横山大膳に、日光山の申し子で、照手姫という美しい姫のあることを、諸国行商の商人から聞き、それに文の使を頼むと、商人は巧みに計って、文をとりつぎ、返事を貰い、ついに小栗は横山の館にゆき、乾の御殿に忍び込んで姫と契りをこめる。
 横山に五人の男子があって、その三郎は小栗を犬鹿毛(人喰い馬)の餌にしようという計略を父にすすめ小栗は横山の酒宴に招かれ鬼鹿毛に乗ることになる。小栗はこの人食い馬に宣命をとなえると、たちまちおとなしくなって、三郎の計略は失敗する。しかし毒酒の計略で主従殺される。小栗一人はうわのヶ原に土葬となり、十人の家来は火葬にされる。照手姫は鬼王兄弟の手により相模ヶ淵に沈めよと父に命ぜられるが、さすがに沈めかね牢興のまま海に流される。
 姫は漂着して越後の国なをいの浦につき、村君の妻に虐待され、ついに売られて美濃国青墓の宿万やの長に買いとられ、常陸の小萩と呼ばれて、水汲み女としてはげしい労働をさせられる。死んだ小栗は主従とも蘇生を許されるが、小栗一人だけは土葬でなきがらがあるので、熊野本宮の湯に浸せと藤沢上人宛の書面を小栗に渡されて、うわのヶ原の塚をうち割って生き返る。通りかかった藤沢上人は、閻魔の書面を見て小栗に餓鬼阿弥と名づけ、車にのせ、この車を引く者は供養なるべしと胸の木札に書きつけ、これから人々の慈悲によって、熊野まで運ばれる。
 途中、小栗と知らずに、小萩の照手姫にも引かれ、熊野へゆき二十一日間湯の峯につかって、もとの小栗にもどる。照手姫と再会し、横山の三郎に詰め腹を切らせて大団円となる。
 義太夫節の『小栗判官車街道』、歌舞伎にも『小栗鹿目石』『小栗十二段』『小栗外伝』などがある。求婚、試練、死および瞑府下り、蘇生の物語。餓鬼阿弥の小栗を車で引く話は、がきやみすなわち業病の乞食がそうした土車に乗って霊地巡拝をした民俗を表しているのであろうといわれる。
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